高嵩谷「大井川渡し図」
高嵩谷「大井川渡し図」
商品番号 | |
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商品名 | 大井川渡し図 |
全体サイズ | 109.5×162.5cm |
本紙サイズ | 50.5×94.6cm |
作者 | 高嵩谷 |
制作年代 | 1801年 |
価格 | ¥1,200,000 |
かつて遠江と駿河との境をなし、東海道中最大の難所と謳われた大井川では、川越人足(かわごえにんそく)と呼ばれる人々が川渡しに従事しました。本作品には、そんな大井川を渡る旅客たちが描かれています。
画面右から渡ってくる一行を見てみましょう。簡素な連台に担がれる男性のすぐ横に、肩車されて川を渡る二人の人物が見えます。不安げな面持ちで人足の頭にしがみつく様子が、なんともいえずユーモラスです。先を行く男性は、二人がかりで肩に担がれています。大切な上着と刀を濡らしたくなかったのでしょうか、荷物を持った人足が後を追います。
そんな彼らとすれ違うのは、6人がかりで担がれていく大きな駕籠。中に乗っているのは大名か貴人か、身分の高い人物でしょうか。簾から顔をのぞかせ、「まだ着かないのかしら?」とでも尋ねているようです。後ろに続く二人の人物は、乗馬のまま川を渡っています。これは「馬渡し」と呼ばれ、武士階級以上の者に限り許された渡り方でした。
淡彩を用いた瀟洒な画風で、市井の風俗を生き生きと描き出す筆には、英派の特徴がよく現れています。人物一人一人の表情や装いなど、丁寧に描き込まれた細部にも注目したい作品です。
さまざまな身分の旅客が行き交う、活気あふれる大井川の様子を、表情豊かに描き出した一幅。本作品を眺めながら、江戸時代の旅に思いを馳せてみるのもまた一興でしょう。
高嵩谷(すうこく・1730-1804)は英派の絵師です。英一蝶の晩年の門人にあたる佐脇嵩之に師事し、一蝶風の洒脱な風俗画を得意としました。中年以後は武者絵にも新境地を開き、浅草寺観音堂に「源三位頼政鵺退治図額」を描いて人気を博しました。
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