鈴木其一 「燕子花図」
鈴木其一 「燕子花図」
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商品名 | 「杜若図」 |
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作者 | 画・鈴木其一/句・酒井抱一 |
制作年代 | 1796-1828年 |
価格 | 150万円 |
一輪の燕子花に賛という実にシンプルな組み合わせ。作者は江戸琳派を代表する鈴木其一(1796-1858)です。
水気の多い絵具で全体を淡彩に仕上げています。筆数は少なく、時間をかけずにその場でさっと描いているということがわかります。しかしそこはさすがの其一、少ない手数でも正確にかきつばたの形をとらえ、見事に描写しています。
句は、「かきつばた 紫足袋も ひとむかし 鴬村」と書かれており、「文詮」の朱文瓢印が捺されています。「鴬村」は其一の師・酒井抱一(1761-1828)の号の一つであり、つまり本作は賛・抱一、画・其一の師弟の合作であるということが分かります。伊勢物語「東下り」にも見られるように、古来より和歌の題材によく取り上げられます。
本作は下谷根岸の「雨華庵」(うげあん)に、抱一が隠居した晩年の作品であると考えられます。鴬がよく鳴いたという美しい庵で、波乱万丈な人生を振り返るような作品を愛弟子と共に遺したのかもしれません。
鈴木其一は、酒井抱一の弟子として活躍し、師の代筆を行っていたことでも知られます。様々な書体の落款や、多様な種類の印章から、その画業は主に3つの時期に分けられますが、本作の落款は草書体であることから、師の抱一とともに制作を行っていた最初期の作品であると考えられます。印章は「錫雲」とあり、この印章に草書体の「其一筆」の組み合わせの作例として、板橋区立美術館蔵の「蝶に芍薬図」があります。作風も水分の多い絵具を用いた没骨法の淡彩画である点や、筆の面や付け立てを用いて描く点も共通しており、「蝶に芍薬図」と同時期の作品と考えられます。
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