鈴木其一「清少納言図」

鈴木其一「清少納言図」

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商品番号
商品名 絹本着色「清少納言図」
全体サイズ 150.0cm×43.0cm
本紙サイズ 72.0cm×30.8cm
作者 鈴木其一(1795〜1858)
制作年代 19世紀
価格 (税抜)¥1,000,000

 御簾をそっと掲げ、外をうかがう一人の女性。一条天皇の妃である中宮定子に仕え、のちに随筆『枕草子』を著した平安中期の才女、清少納言です。

 本作品の主題は、『枕草子』第299段に語られる「香炉峰の雪」のエピソードです。中唐を代表する詩人・白居易の漢詩に、「香炉峰雪撥簾看(香炉峰の雪は簾をかかげて見る)」という一節があります。
 定子はこれを踏まえ、清少納言に「香炉峰の雪はいかならむ」と問いかけました。
当時の女性貴族にとって、漢詩は必須の教養。定子は清少納言の知識を試そうとしたのでしょう。
 すると清少納言は、御簾を上げ雪を見せる仕草でこれに応えたのです。ただ詩の続きを吟ずるのではなく、詩の世界を定子の目の前に再現した清少納言の機転に、定子は満足して笑ったといいます。

 其一の筆は、そんな冬の内裏のワンシーンを繊細かつ幻想的に描き出しています。御簾をかかげる清少納言の姿はしばしば絵画化されますが、あえて顔を見せず後姿で描く点に、其一の美的感覚が感じ取れましょう。

 また、精緻に描きこまれた装束の文様も本作品の魅力の一つ。緑青を散りばめた打衣の笹文様は、画面に清涼感を添えています。笹は冬でも緑を失わないことから、笹文様の着物は冬〜春にかけて好まれたそうです。
細部に至るまでこだわり抜かれた優品です。
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鈴木其一(きいつ・1795~1858)は江戸琳派の絵師です。酒井抱一(1761~1829)の弟子で、実質的な後継者として知られています。近年は大回顧展が開催されるなど注目が高まり、宗達・光琳・抱一と並ぶ琳派の絵師として認められつつあります。
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