西山芳園「繰絲図」
西山芳園「繰絲図」
商品番号 | |
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商品名 | 「繰絲図」 |
全体サイズ | 206.5×54㎝ |
本紙サイズ | 101.5×40㎝ 絹本着色 |
作者 | 西山芳園 |
制作年代 | 1804-1867年 |
価格 | ¥600,000 |
一心に繭を煮て絹糸を紡ぐ中国風の女性と少年。
女性の顔の輪郭をはじめ、その指先にいたるまで、柔らかく繊細な筆致で描写されています。更に女性の顔に近づいてみると髪の毛までも一本一本細い描線で仕上げられていることが分かります。また、その指先にもご注目。女性の細い指の先、うっすらと見えるか見えないかというほどの白い絹糸がご覧いただけるかと思います。真新しい絹糸は女性の熟練の技術によって、画面左の糸車にまとめられていきます。ほんのわずかな胡粉を用いることで、今にも切れそうな絹糸の細さを見事に画面上に表現しています。
懸命に火吹きで空気を送り込む少年の衣は一見簡素に見えますが、その背には金泥で何やら文様が描かれています。細部まで絵師・西山芳園のこだわりが窺えます。画面手前や背景の草木に目を向けるとまるで本物かのように正確です。こちらも間近で見ると非常に細かな点描がいくつも見られます。どのモティーフも時間をかけて丁寧に描き出されており、何度見てもそのたびに新たな発見がある作品です。
西山芳園(1804-1867)は、四条派の松村景文(1779-1843)に絵を学び、その後大坂に四条派を広めた人物として知られます。
本作と非常に類似した作例として、息子・西山完瑛作「養蚕図」(関西大学博物館)があげられます。構図はもちろん、人物の描写や景物の描き方など細部にいたるまで完璧に一致していることから、完瑛が父を尊敬しその画技を自分のものにしようとしていることが分かります。2つの絵を並べると、父子であり師弟でもある2人の強い結びつきが垣間見えます。
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