狩野泰山院貞信「牡丹図」

狩野泰山院貞信「牡丹図」

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商品番号
商品名 「牡丹図」
全体サイズ 188×56 
本紙サイズ 111×41  絹本
作者 狩野泰山院貞信
制作年代 19世紀
価格 50万円

赤と白と薄桃色の大輪の牡丹が咲き誇っています。
薄桃の牡丹は花弁の外側のひだを一つ一つ白く塗り、内側に向かって少しずつ桃色が濃くなっていくことで立体感があります。白牡丹はただ単に白一色ということはなく、微妙に白の彩度を調整し、こちらも奥行のある仕上がりとなっています。そしてこの中で特に目を引く赤牡丹。花弁の外側はすこし白を混ぜたような明るい赤を使い、中心にいくに従い、やや暗い赤で影を施します。中央の蕊も一粒一粒描き、更にその真ん中に更に小さな花粉のような点まで施すという、細密描写にも驚きます。葉は近くで見てみると一枚一枚表現の仕方が異なることに気が付きます。表と裏の色を微妙に変えていたり、先の方が枯れかかっていたりするものなど様々です。
遠くから全体を見ると艶やかで堂々と咲き誇る牡丹といった印象ですが、近寄って観察してみると、彩色や構成が精緻な計算のもとに成り立っているということがわかる、見どころのある作品です。

狩野貞信は、19世紀に活躍した伝記未詳の江戸狩野派の絵師です。「泰山院」「玉楽」と号し、法眼に叙せられています。江戸狩野派の大家・狩野栄信(1775〜1828)の画風をよく学び、その模本が多く伝わります。今後注目が高まる絵師の一人です。


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