狩野董川中信「牡丹菊花之図」
狩野董川中信「牡丹菊花之図」
商品番号 | |
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商品名 | 「牡丹菊花之図」双幅 絹本彩色 |
全体サイズ | 各198.2cm × 57.3cm |
本紙サイズ | 各105.5cm × 43.4cm |
作者 | 狩野董川中信 |
制作年代 | 1844年以降 |
価格 | ¥1,500,000 |
富貴を表す牡丹と延命長寿を表す菊を描いた、華やかな双幅です。
薄桃の牡丹は、輪郭線を目立たせず、桃色のグラデーションをかけて立体感を表現しています。繊細な彩色によって、光に透ける花弁の柔らかな質感が巧みに再現されています。さらに、花弁の中央にわずかに覗く蕊の細密描写にも驚かされます。
豪華で優美な佇まいから「百花の王」とも呼ばれる牡丹の、匂い立つような気品が、絵絹の上に余すことなく表現されています。
菊図で注目したいポイントは、花弁の一枚一枚、葉の一枚一枚に「生きた表情」がある点です。
例えば、画面中央右の白菊の花弁は一見したところ規則的な放射状に見えますが、近づいて観察してみると、少し捩れて隣の花弁と重なっていたり、めくれて裏側が見えていたりと、一枚一枚に細かな表情が付されていることに気が付きます。
葉も同様で、みずみずしくやわらかい若葉、先端が茶色く枯れかかった葉、それぞれの質感を巧みに描き分けています。
遠くから眺めてもうっとりするほど美しい本図ですが、こうして近くで観察してみると、その美しさが画家の確かな描写力に裏打ちされたものであると実感します。
狩野董川中信(1811-1871)は、幕末の江戸画壇を牽引した狩野伊川院栄信(1775-1828)の五男です。のちに奥絵師浜町狩野家八代を継承し、弘化元年(1844)には法眼に叙されました。
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