狩野永岳「富士群馬図」
狩野永岳「富士群馬図」
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商品名 | 「富士群馬図」 |
全体サイズ | 117.5×88.6㎝ |
本紙サイズ | 25.8×85㎝ |
作者 | 狩野永岳 |
制作年代 | 弘化3年(1846) |
価格 | ¥500,000 |
富士のふもとの水辺で、黒馬や白馬、葦毛の馬たちが水を飲んだり、駆けまわったりと思い思いに過ごしています。
画面左からは軽やかな足取りで駆けてくる2頭と、更に後ろから仔馬がぴょんぴょんとついてくる様子は大変微笑ましいものです。中央の水辺に集まった馬たちはちょっと一休みと水を飲んでいます。更に右の馬たちは、追いかけてくる仔馬たちの鳴き声に驚いたのでしょうか、後ろを振り返ります。馬が振り返るという難しい体勢を、少ない筆数で一切の破綻なく描くところに、幕末の京狩野として名をはせた永岳の腕が光ります。いずれの馬も筋肉が盛り上がり、野生の馬のたくましさが表現されています。
落款からもわかるように、この年の干支である馬にちなみ、馬の群れを正月に描いたもののようです。正月といえばお馴染みの縁起物である富士山が遠く見えます。富士の中腹から裾野にかけては靄がかかり、雪をかぶった頂上が顔をのぞかせます。靄がかかることにより、その遠さと高さが強調されています。
絵師の狩野永岳は(1790-1867)は、京狩野9代目。初期の京狩野の画風だけでなく、同時代の四条円山派や長崎派、文人画などにも精通し、独自の画風を形成しました。本作が描かれた弘化3年(1846)は、永岳が宮廷画家に任じられた年であり、翌年には二条城の障壁画制作にも参加していることから、画家として成熟期を迎えていたころの作品として位置づけられます。
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