狩野探玄「舟渡図」
狩野探玄「舟渡図」
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商品名 | 「舟渡図」 |
全体サイズ | 103.5×63.5㎝ |
本紙サイズ | 34×56.5㎝ |
作者 | 狩野探玄 |
制作年代 | 1776-1834年 |
価格 | ¥650,000 |
船で川を渡る芸人と思しき人々。右から2番目の笠を被った人物をよく見てみると、なんと小さな猿がいます。どうやら猿回しのようです。煙管を持った人物は立ち上がって対岸を指で指し示しています。「向こう岸へ渡してくれ」と指示を出しているのでしょうか。よくよくこの人の衣の文様を見てみると大根が描かれています。大根は春の七草のひとつ。昔から、吉祥文様の一つでありました。
表情は柔らかな淡墨で描くのに対し、着物の線には強弱があり、画家が部位によって両者の線を使い分けていることが分かります。岸の近くには鷺でしょうか、穏やかな水面に3羽の白い鳥が描かれます。対岸の更にその先には、霞みがかった山が描かれ、この一座がはるか遠くを目指して旅をしているということを示すかのようです。近景と遠景を巧みに表現し、風景の奥行を感じさせる作品です。
狩野探玄守明(たんげんもりあき・1776-1834)は芝愛宕下家の七代目に当たります。徳川幕府の御用絵師として、文化文政期に活躍しました。本作に描かれるような人物画だけでなく、「梅鳩図」(東京国立博物館)に見られるような花鳥画も得意としました。
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