狩野了承賢信「蛤図」
狩野了承賢信「蛤図」
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商品名 | 狩野了承賢信「蛤図」 |
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作者 | 狩野了承賢信 |
制作年代 | 享和2年(1802)以降 |
価格 | ¥250,000 |
編み籠いっぱいに詰め込まれた二枚貝を描きます。
所々に見える深緑色の海藻は、海松(みる)でしょうか。
海松は、枝分かれした末広がりの形がマツの木に似ていることから、その名がついた海藻です。
現代の食卓にはあまり馴染みがありませんが……古く『万葉集』にも詠まれ、平安時代には「海松文」として文様化されるなど、非常にポピュラーな海産物だったようです。
画面全体に、輪郭線をとらない没骨の技法が用いられており、貝の自然な風合いや海藻のみずみずしさを巧みに表現しています。
画面上部の賛には「あまの子が かたみにひろふ みる貝や しほの干潟の 春の濱つと」とあります。「つと」は漢字で書くと「土産」、贈り物としての土地の産物を指す語です。
貝類の旬は春。海から届いた籠いっぱいの「浜土産(はまつと)」が春の訪れを予感させる、季節感あふれた一幅です。
狩野了承賢信(かたのぶ・1768~1846)は江戸後期の狩野派表絵師です。深川水場狩野家の梅笑師信の養子となり、父の没後家を継ぎました。本作品は落款より、号を了承と改めた享和2(1802)年以降の作とわかります。
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