渡邊始興「蜻蛉芥子図」
渡邊始興「蜻蛉芥子図」
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商品名 | 「蜻蛉芥子図」 |
全体サイズ | 178×53.9 |
本紙サイズ | 95.8×40 |
作者 | 渡邊始興 |
制作年代 | 1683-1755年 |
価格 | お買い上げ有難う御座いました。 |
ひっそりと咲き誇る赤と白の芥子の群れと、それに引き寄せられるように周囲を飛び交う群青色の蜻蛉。いずれも鮮やかな赤と白と青の配色が美しい作品です。
芥子や蜻蛉などのモティーフは琳派らしくすべて没骨法で描かれています。芥子の花弁の先端には細かい筋が入っており、絵師が細部まで丁寧に観察し描写したことが窺えます。また花弁が重なるところに陰影がほどこされることで立体感があります。琳派による草花はデザイン性が高いことで知られますが、本作の芥子や蜻蛉は正確な描写を意識しているようにも見られます。芥子は琳派の間でよく見られる画題ですが、蜻蛉との組み合わせは珍しく貴重です。なよやかで上品な芥子と柔らかそうな羽をもつ可愛らしい蜻蛉。画面の余白をたっぷりと取り、隅でひっそりと寄り添うように両者を描くことで、守ってあげたくなるような儚さが演出されているかのようです。
渡辺始興は(1683-1755)は江戸中期に京都で活躍した画家です。絵は初め狩野派に学び、のち光琳の影響を受けてその装飾画風も習得しました。1708年(宝永5)ごろから近衛家煕に仕え、古絵巻の模写を精力的に行っていたことでも知られます。「燕子花図屏風」ほか諸寺の障壁画なども手がけ、多様な作品を残しました。
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