渡辺南岳「美人付人図」
渡辺南岳「美人付人図」
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商品名 | 「美人付人図」 |
全体サイズ | 193×54㎝ |
本紙サイズ | 112×41.4㎝ 絹本着色 |
作者 | 渡辺南岳 |
制作年代 | 1767-1813年 |
価格 | ¥700,000 |
しんとした雪景色のなか、寄り添って歩く男女。画面上にはそのこちらにもその静けさが伝わってくるようです。
島田髷を結った女性の面貌はまぶしいばかりに白く、思わず見とれるほどの美人です。すっと跳ね上がった目の描線の周囲がぼんやりと滲んでおり、その黒々とした瞳に怪しさが加えられています。眉は一本一本淡く細い墨線で描写され、ふわっと柔らかな質感が表出されています。着物や帯には金泥や群青で文様が描かれており、特に裾に注目すると鉄線唐草かと思われる優美な文様が見られます。鉄線は固い蔓を持つことから、強い結び付きを表す吉祥文です。花嫁衣装などにも使われます。
女性の持ち物でしょうか、箱を持つ男性はやや身をかがめ右手をしまいこみ、いかにも寒そうです。背後を振り返り何かを気にするような表情をしています。縦縞の衣の文様は体の線に沿って曲線を帯び、立体感が表されます。
おそらく芸者とその付人と思われますが、寄り添う様子ややや沈鬱とした表情から、ただならぬ気配が感じられ、様々な想像が膨らむ作品です。
渡辺南岳(1767-1813)は、円山派の画家であり応挙門十哲の一人に名を連ねる人物です。本作のような美人画において優れた作品をいくつも制作しました。敦賀市立博物館にも本作のような男女を描いた、「芸者と若衆図」が所蔵されており、南岳にとって得意な画題であったと考えられます。
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