森狙仙「猿に蝙蝠図」

森狙仙「猿に蝙蝠図」

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商品番号
商品名 「猿に蝙蝠図」
全体サイズ 188×48
本紙サイズ 107×37
作者 森狙仙
制作年代 1804-1821年
価格 ¥1,000,000

まるで「おや?」とでも言っているかのように振り向いて空を見え上げている猿。その視線の先には蝙蝠が飛んでいる姿が見えます。
猿の毛並みに注目して見てみると、ふわふわとしており、その体毛のやわらかな質感が伝わってきます。岩場をよじ登ろうとしている最中に、ふと振り返り、上空を見上げる一瞬の姿を生き生きと描きます。
猿と蝙蝠という自然界ではあまり見ない組み合わせですが、実はそれぞれ縁起の良い画題として古くから親しまれています。「猿」は「猴」とも書き、音が「侯」(諸侯)に通じます。よく「封土」(土地を与えること)を意味する蜂と共に描かれ、立身出世を表します。
一方、蝙蝠は「蝠」が「福」と通じるため、こちらも吉祥を示すモチーフです。
それぞれのモチーフの意味を読み取っていくと、空を見上げる猿は、幸せな未来のために、出世を目指し、ひたむきに努力している真っ最中…といったところでしょうか。狙仙の力強いエールを感じる一幅です。

本作は、精妙な動物の絵で知られている、森狙仙(1747?~1821)の作品です。中でも猿描きの名手として知られます。大阪歴史博物館の「猿描き狙仙三兄弟」展を始め、多くの展覧会で取り上げられる画家です。
こちらの作品は落款にもご注目。狙仙は始め「祖仙」と名乗っていましたが、儒学者の柴野栗山のすすめで、1804年(文化4年)に「狙仙」に改名しました。つまり本作は1804年以降のもの。晩年の狙仙は、一体誰に向けてこの力強い作品を描いたのでしょうか。


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