山口素絢「遊女図」
山口素絢「遊女図」
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商品名 | 「遊女図」 |
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作者 | 山口素絢 |
制作年代 | 1759−1818年 |
価格 | ¥900,000 |
衝立からたおやかな立ち姿をのぞかせる遊女。切れ長の目は下を向き、何かを憂いている様子がうかがえます。馴染みの客と別れる間際なのでしょうか。
女性の顔立ちは大変優美で上品です。鼻筋には墨線とは別に白い線を、そして全体に薄く朱隈をほどこすことで、顔の立体感が表現されています。眉は何本も引き重ねられており、ふんわりとした質感が伝わってきます。
着物にも画家の繊細な仕事ぶりが見受けられます。打掛には文様とは別に、皺の部分に金泥がほどこされるという何とも豪華な仕上がり。更に身につけている帯も大変華やかで目を引きます。赤い帯には金と緑、群青、茶で描かれた雲気と、中央には金泥で描かれた鶴が描かれています。鶴が松の枝を咥えたこの文様は、松喰鶴と呼ばれれるものです。奈良時代に流行した花喰鳥を和様化したもので、松も鶴も長寿の象徴のため、二重にめでたい文様として人気があります。衝立に描かれるのは萩に芙蓉、女郎花といった秋草たち。衝立の画面の右端には画家・山口素絢の落款と印が捺されています。画中画にサインをのこすという粋な演出が見られます。
容姿の美しさはもちろん、匂い立つような気品と艶やかさが見事に表された一幅です。
山口素絢(1759−1818)は江戸中期の画家です。円山応挙に学び、応門十哲の一人として名を馳せました。師とともに大乗寺の障壁画を手掛けたことでも知られます。特に美人画を得意とし、生涯にわたって数多くの美人画を制作しました。
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