中村芳中「寿老人図」

中村芳中「寿老人図」

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商品番号
商品名 「寿老人図」
全体サイズ
本紙サイズ
作者 中村芳中
制作年代 18-19世紀
価格 100万円

可愛らしいユーモラスな寿老人。相棒の鹿は何だか恥ずかしそうに寿老人の後ろに隠れています。手がけたのは人気絵師・中村芳中(?~1819)です。
寿老人を象徴するお馴染みの長い頭に、中央にちょこんと小さな点で表される目。等身も小さく、お人形や置物のようにも見えます。細部まで細かく描くというより、ラフにさっと描いたという印象です。ぽやんとした表情に思わず見ているこちらも癒されます。
全体の輪郭は、ところどころ欠けていたり、妙な凹凸があったりと、不思議な線で描かれています。おそらく本作は筆とは異なる画材で描かれているものと考えられます。一般的に琳派の系譜に連なるとされる芳中ですが、指頭画(しとうが・筆の代わりに指や爪で描く画法)など一風変わった画風で、当時の大阪で名をはせていました。そのほか芳中の作品には煙管を使って描いたとされる作品もあり、珍しい画材で描くことを好む画家であったようです。
本作では落款に「以鶏卵鳳冲冩」とあり、なんと卵を使って描いたということが分かります。卵の殻を使っているのか、それとも絵具に鶏卵を混ぜ込んでいるのか、定かではありませんが、おそらくパフォーマンスの一つとしてそのような描き方をしたため、このような不思議な輪郭線がうまれたものと考えられます。その場に立ち会った人々はさぞ驚いたに違いありません。

中村芳中は京都に生まれ、若くして大阪に移り活躍したと考えられる、当時の人気絵師です。指頭画や遺作から一時期池大雅(1723-1776)に師事していたとも考えられています。享和2年(1802)には『光琳画譜』を出版しています。


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