上田耕冲「双鷺図」

上田耕冲「双鷺図」

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商品番号
商品名 「双鷺図」
全体サイズ 198×56.5㎝
本紙サイズ 110.4×40.5㎝
作者 上田耕冲
制作年代 1893(明治26)年
価格 45万円

こちらは番でしょうか、美しい毛並みの白い鷺が二羽描かれています。
本物かと見紛うほど正確に鷺の身体的特徴を描写しており、画家の優れた観察力の再現力が窺えます。
両者ともに何よりも目を引くのが、白くふわふわな羽毛。スッと白い線が無数に引かれており、思わず触りたくなるようなふわっと軽やかな質感が表現されています。足はベタ塗かと思いきや、黒の地の上に更に黒い点描が縦に並べられており、ぶつぶつ感が画面越しにも伝わってきます。
首を伸ばしている画面左の鷺の瞳には白い点が付され、爛々と輝いています。視線の先に獲物を見つけたのでしょうか。墨のにじみを活かし嘴の先にかけて黒へと自然にグラデーションがかかっていく様も見事です。
画面右の鷺は首を曲げ、羽を掻いています。屈曲させている片方の足に注目して見ると指先が黄色になっていることが分かります。これは日本で見られるシロサギでは主にコサギに見られる特徴だそうです。また二羽の後頭部から毛が少し伸びています。コサギは繁殖期になると長い飾り羽が生えてくるそうですが、こちらの鷺ももしかするとそうなのかもしれません。

作者は上田耕冲(こうちゅう・1819-1911)は幕末から明治にかけて活躍した画家です。四条派の画家である上田耕夫(こうふ・1758-1831)の息子であり、大坂で長山孔寅(こういん・1765-1849)に絵を学びました。花鳥画に優れ、その技術の高さは大阪天満宮の「鷹狩と雪中老松」などに見られます。


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