下のサムネイル画像をクリックすると、それぞれ大きな画像をご覧いただけます。
御簾をそっと掲げ、外をうかがう一人の女性。一条天皇の妃である中宮定子に仕え、のちに随筆『枕草子』を著した平安中期の才女、清少納言です。
本作品の主題は、『枕草子』第299段に語られる「香炉峰の雪」のエピソードです。中唐を代表する詩人・白居易の漢詩に、「香炉峰雪撥簾看(香炉峰の雪は簾をかかげて見る)」という一節があります。 定子はこれを踏まえ、清少納言に「香炉峰の雪はいかならむ」と問いかけました。 当時の女性貴族にとって、漢詩は必須の教養。定子は清少納言の知識を試そうとしたのでしょう。 すると清少納言は、御簾を上げ雪を見せる仕草でこれに応えたのです。ただ詩の続きを吟ずるのではなく、詩の世界を定子の目の前に再現した清少納言の機転に、定子は満足して笑ったといいます。
其一の筆は、そんな冬の内裏のワンシーンを繊細かつ幻想的に描き出しています。御簾をかかげる清少納言の姿はしばしば絵画化されますが、あえて顔を見せず後姿で描く点に、其一の美的感覚が感じ取れましょう。
また、精緻に描きこまれた装束の文様も本作品の魅力の一つ。緑青を散りばめた打衣の笹文様は、画面に清涼感を添えています。笹は冬でも緑を失わないことから、笹文様の着物は冬〜春にかけて好まれたそうです。 細部に至るまでこだわり抜かれた優品です。 ______________________
鈴木其一(きいつ・1795~1858)は江戸琳派の絵師です。酒井抱一(1761~1829)の弟子で、実質的な後継者として知られています。近年は大回顧展が開催されるなど注目が高まり、宗達・光琳・抱一と並ぶ琳派の絵師として認められつつあります。 ______________________
古美術品のため多少のキズや傷みのある場合がございます。ご来店のうえ状態を確認いただくことをお薦めします。 ご希望の場合は商品の詳細な写真をお送りしますのでお気軽にお問い合わせくださいませ。
お問い合わせはこちら
ログアウトしますか?
ログアウト
Only fill in if you are not human